Japanische Klassiker mit Furigana
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こころ
こころ
Lesen Sie こころ von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 160.915 Zeichen · 322 Bildschirme
四
叔父はまた一切を引き受けて凡ての世話をしてくれました。そうして私を私の希望する東京へ出られるように取り計らってくれました。
私は東京へ来て高等学校へはいりました。その時の高等学校の生徒は今よりもよほど殺伐で粗野でした。私の知ったものに、夜中職人と喧嘩をして、相手の頭へ下駄で傷を負わせたのがありました。それが酒を飲んだ揚句の事なので、夢中に擲り合いをしている間に、学校の制帽をとうとう向うのものに取られてしまったのです。ところがその帽子の裏には当人の名前がちゃんと、菱形の白いきれの上に書いてあったのです。それで事が面倒になって、その男はもう少しで警察から学校へ照会されるところでした。しかし友達が色々と骨を折って、ついに表沙汰にせずに済むようにしてやりました。こんな乱暴な行為を、上品な今の空気のなかに育ったあなた方に聞かせたら、定めて馬鹿馬鹿しい感じを起すでしょう。私も実際馬鹿馬鹿しく思います。しかし彼らは今の学生にない一種質朴な点をその代りにもっていたのです。当時私の月々叔父から貰っていた金は、あなたが今、お父さんから送ってもらう学資に比べると遥かに少ないものでした。