Japanische Klassiker mit Furigana
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こころ
こころ
Lesen Sie こころ von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 160.915 Zeichen · 322 Bildschirme
私はその理由を訊ねずにはいられませんでした。Kは理由はないといいました。これほど人の有難がる書物なら読んでみるのが当り前だろうともいいました。その上彼は機会があったら、『コーラン』も読んでみるつもりだといいました。彼はモハメッドと剣という言葉に大いなる興味をもっているようでした。
二年目の夏に彼は国から催促を受けてようやく帰りました。帰っても専門の事は何にもいわなかったものとみえます。家でもまたそこに気が付かなかったのです。あなたは学校教育を受けた人だから、こういう消息をよく解しているでしょうが、世間は学生の生活だの、学校の規則だのに関して、驚くべく無知なものです。我々に何でもない事が一向外部へは通じていません。我々はまた比較的内部の空気ばかり吸っているので、校内の事は細大ともに世の中に知れ渡っているはずだと思い過ぎる癖があります。Kはその点にかけて、私より世間を知っていたのでしょう、澄ました顔でまた戻って来ました。国を立つ時は私もいっしょでしたから、汽車へ乗るや否やすぐどうだったとKに問いました。Kはどうでもなかったと答えたのです。
三度目の夏はちょうど私が永久に父母の墳墓の地を去ろうと決心した年です。