Japanische Klassiker mit Furigana
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こころ
こころ
Lesen Sie こころ von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 160.915 Zeichen · 322 Bildschirme
二十九
私はかえって世話のし甲斐があったのを嬉しく思うくらいなものです。けれども彼の安心がもしお嬢さんに対してであるとすれば、私は決して彼を許す事ができなくなるのです。不思議にも彼は私のお嬢さんを愛している素振に全く気が付いていないように見えました。無論私もそれがKの眼に付くようにわざとらしくは振舞いませんでしたけれども。Kは元来そういう点にかけると鈍い人なのです。私には最初からKなら大丈夫という安心があったので、彼をわざわざ宅へ連れて来たのです。
二十九
「私は思い切って自分の心をKに打ち明けようとしました。もっともこれはその時に始まった訳でもなかったのです。旅に出ない前から、私にはそうした腹ができていたのですけれども、打ち明ける機会をつらまえる事も、その機会を作り出す事も、私の手際では旨くゆかなかったのです。今から思うと、その頃私の周囲にいた人間はみんな妙でした。女に関して立ち入った話などをするものは一人もありませんでした。中には話す種をもたないのも大分いたでしょうが、たといもっていても黙っているのが普通のようでした。比較的自由な空気を呼吸している今のあなたがたから見たら、定めし変に思われるでしょう。