Japanische Klassiker mit Furigana
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こころ
こころ
Lesen Sie こころ von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 160.915 Zeichen · 322 Bildschirme
「これしきの病気に学校を休ませては気の毒だ。お母さんがあまり仰山な手紙を書くものだからいけない」
父は口ではこういった。こういったばかりでなく、今まで敷いていた床を上げさせて、いつものような元気を示した。
「あんまり軽はずみをしてまた逆回すといけませんよ」
私のこの注意を父は愉快そうにしかし極めて軽く受けた。
「なに大丈夫、これでいつものように要心さえしていれば」
実際父は大丈夫らしかった。家の中を自由に往来して、息も切れなければ、眩暈も感じなかった。ただ顔色だけは普通の人よりも大変悪かったが、これはまた今始まった症状でもないので、私たちは格別それを気に留めなかった。
私は先生に手紙を書いて恩借の礼を述べた。正月上京する時に持参するからそれまで待ってくれるようにと断わった。そうして父の病状の思ったほど険悪でない事、この分なら当分安心な事、眩暈も嘔気も皆無な事などを書き連ねた。最後に先生の風邪についても一言の見舞を附け加えた。私は先生の風邪を実際軽く見ていたので。
私はその手紙を出す時に決して先生の返事を予期していなかった。出した後で父や母と先生の噂などをしながら、遥かに先生の書斎を想像した。