Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あわもりものがたり

『たぬき汁』以後

佐藤 垢石

Lesen Sie 『たぬき汁』以後 (あわもりものがたり) von 佐藤 垢石 (さとうこうせき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 118.470 Zeichen · 244 Bildschirme

Aozora Bunko

殖田先生の説明によると魚類は大体宵の八時には床に入るものであるという。そこで、二人はカンテラ提げて串川の中流の小さな淵へ、八時に到着するように見はからって出かけて行った。

淵といっても、深さ三、四尺ほどで、カンテラを指しだすと底の石まで見える。二人は、カンテラの光りで、静かに淵の層を見た。いる、いる。鮎、、鮠などが淵の中層で、ぐうぐうやっている。魚類のことであるから、鼾声は聞こえないが、尾も鰭も微動だにさせないで、ゆるやかに流れる水に凝乎としているのである。

ゆるやかであっても、水は流れている。にも拘わらず、魚は鰭や尾を動かさないでも、流されることなく、凝乎としていられるのであるから、魚という動物は不思議であると感心しながら、なお眺めつづけていた。ところで、魚は眼を開いたまま眠っている。開いたままであるから、眠っていても魚の眼は視力がきくものかどうか試すため、携えて行った魚鋏で、眠っている魚を挾んでみた。眼が見えれば、鋏を見て逃げだすわけであるが、鮎も※(「魚+成」、第3水準1-94-43)も鮠もなにも知らず騒がず驚かず、静かに私らの魚鋏に挾まれてしまうのであった。