Japanische Klassiker mit Furigana
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つゆのあとさき
つゆのあとさき
永井 荷風
Lesen Sie つゆのあとさき von 永井 荷風 (ながいかふう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 74.725 Zeichen · 148 Bildschirme
京子は田舎の家へ仕送りをしなければならぬ身であるが、君江はそんな必要がない。田舎に育っただけそれほど流行の物に身を飾る心もなければ、芝居や活動のような興行物も、人から誘われないかぎり、自分から進んで見に行こうとはしない。小説だけは電車の中でも拾い読みをするほどであるが、その他には自分でも何が好きだかわからないと言っている位で、結局貸間の代と髪結銭さえあれば、強いて男から金など貰う必要がない。金などは貰わずに、随分男のいうままになってやった事もあるほどなので、君江は今までいかほど淫恣な生活をして来ても、人からさほど怨を受けるようなはずはないと思い込んでいる。占者の説明を待って、
「それでは今のところ別にたいして心配するようなことはないんで御在ますね。」
「御健康はいかがです。現在別に御わるいところがないのなら、無論近い将来にもさして病難があるとは思われません。現在は唯今も申上げたように波瀾のあった後むしろ無事で、いくらか沈滞というような形もあります。御自分ではお気がつかないでいらっしゃるかも知れませんが、何か知ら不安で、おちつかないような気がなさるのかも知れません。