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Japanische Klassiker mit Furigana

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つゆのあとさき

つゆのあとさき

永井 荷風

Lesen Sie つゆのあとさき von 永井 荷風 (ながいかふう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 74.725 Zeichen · 148 Bildschirme

Aozora Bunko

ね。」と言いながら並んで腰をかけた。

雨はいつか歇んで、両側とも待合つづきの一本道には往来する足駄の音もやや繁くなり、遠い曲角の方でバイオリンを弾く門附の流行唄が聞え出した。

「今帰ったお北の家はどこだ。富士見町の方か。」と、清岡は何の訳もないような風できいて見た。実は先刻その女のはなしをした隣りの待合の事が気になっていたからである。

「いいえ、三番町もずっと先の方……。」

「それじゃ、女学校か何かある、あっちの方か。」

「ええ。そうよ。わたしの家もお北姐さんの家のすぐそばだわ。」

「そうか。お北の家の隣りは待合だっていうじゃないか。」

「ええ。千代田家さんでしょう。先どなりがお北ねえさんの家で、手前の方がわたしのいる家なのよ。」

「そうか。それじゃその家にちがいない。背中合せになっている待合がありゃアしないか。」

「何だか変ねえ。」

「義理があるから、今度行こうと思っているんだけれど、様子がわからないからさ。」

「あの辺でお茶屋さんは千代田家さんだけだわ。何しろ許可地の一番はずれですもの。」

女中が三階から降りて来て、「どうぞ。」と言ったが、清岡はあまりぞっとしない芸者なので、