Japanische Klassiker mit Furigana
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イエスでん
イエス伝
矢内原 忠雄
Lesen Sie イエス伝 (イエスでん) von 矢内原 忠雄 (やないはらただお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 220.119 Zeichen · 436 Bildschirme
彼らは先生に働いていただくこと、先生を働かせることだけを考えた。しかしマリヤは死において、悲哀においてイエスを見、その孤独を和らげてさしあげたいと思ったのです。そしてこの場合弟子たちの思考よりもマリヤの直感が、イエスの御心を知ったのです。イエスは死を目睫の間に見ていられる。死の間近い人を前にして、事業の相談、金の勘定でもあるまい。死ぬる人にいるものは葬りの備えだけです。その生涯における戦いと労苦とにより傷つき疲れたるからだに香油をそそぎて、戦塵を洗い、筋骨を和らげ、美しく、香り高く、和やかに憩わせることです。マリヤのなした行為は、まさにその時の必要を満たした美しい行為であって、いわゆるタイムリー・ヒットでありました。
愛は直感です。愛は比較較量しません。この香油を貧しき者に施そうかイエスの首にそそごうか、いずれがより善きことであろうか、と比較して考えた行為は純粋の愛とはいえない。愛は一つの時には一つの対象に向って、躊躇逡巡なく傾けつくされる。心が分かれるのは愛でありません。愛は全部的です。香油の一部だけをイエスの首にそそぎ、あとは貧しき者のために残しておくというような、分割的な計算的な行為は全き愛とはいえない。