Japanische Klassiker mit Furigana
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オリンポスのかじつ
オリンポスの果実
田中 英光
Lesen Sie オリンポスの果実 (オリンポスのかじつ) von 田中 英光 (たなかひでみつ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 75.277 Zeichen · 147 Bildschirme
(よく、食うなア)と、あなたに言った積りですが、案外、自分のことでしょう。
朝飯を食うと午前中の練習で、八時半から十一時頃まで、ボオト・デッキと体育室の前に置いてあるバック台を、まず、三百本以上は、定まって引きました。大体、三番の梶さんと、四番のぼくは並んで引くのが原則ですが、下手糞な為、時々、五番の松山さんや整調の森さんとも引きます。ぼくは、胴が長くて、上体が重く、いつも起上りが、おくれて、叱られるのですが、あの数日は、すばらしい好調でした。
いつもは隣のバック台に、合わそうとすればする程合わないのが、その頃は合わそうとしないでも、いつの間にかチャッチャッとリズムが出てくるのです。身も心も浮々していて、普段は音痴のぼくでも、ひどく音楽的になれたのでしょう。そのリズムに乗ってしまえばしめたもので、カタンと足で蹴り身体を倒した瞬間、もう上半身は起き上がり、スウッと身体は前に出てゆきます。手首をブラッと突きだし、全身が倒れた反動で、ひとりでに進むのをゆるくセエブしながら、みはるかす眼下ひろびろと、日に輝く太平洋が青畳のように凪いでいるのを見るのは、まことに気持の好いものです。