Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
オリンポスのかじつ
オリンポスの果実
田中 英光
Lesen Sie オリンポスの果実 (オリンポスのかじつ) von 田中 英光 (たなかひでみつ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 75.277 Zeichen · 147 Bildschirme
九
に手をあげ、あなたも手をあげ応えると、また、にこにこと笑い交して、バック台まで逃げてゆく。そうしているときは愉しく、その想い出も愉しかった。
翌晩でしたか、ひどい時化の最中、すき焼会がありました。大抵のひとが出て来ないほど、船が、凄まじくロオリングするなか、ぼくは盛んに、牛飲馬食、二番の虎さんや、水泳の安さんなんかと一緒に、殆ど、最後まで残って、たしか飯を五杯以上は食いました。その飯には、杏の味の甘美さが、まだ残っている気がしたのでした。
そして、いよいよ Blue Hawaii です。
九
ハワイの想い出は、レイの花からでした。
第一装のブレザァコオトに着更え、甲板に立っていると、上甲板のほうで、「鱶が釣れた」と騒ぎたて、みんな駆けてゆきました。しかし、ぼくは漸く、雲影模糊とみえそめた島々の蒼さを驚異と憧憬の眼でみつめたまま、動く気もしなかったのです。
未知の国を初めてまのあたり眺める感動と、あなたへの思慕とがありました。その頃、漸くにして、自分の技倆の未熟さはさておき、とにかく日の丸の下に戦わねばならぬ、自分の重責を、あなたへの思い深まるに連れて、深く自覚自責するものがありました。