Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
オリンポスのかじつ
オリンポスの果実
田中 英光
Lesen Sie オリンポスの果実 (オリンポスのかじつ) von 田中 英光 (たなかひでみつ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 75.277 Zeichen · 147 Bildschirme
がっかりすると言うより、ぼんやりして、海を見ていると、舵手の清さんがやって来て、肩を叩きます。「どうしたんだい、坂本さん」微笑んでいる清さんは、本当に、ぼくを気遣ってくれるのでしょう。「いや、別に」とぼくは、だらしなく悄気た声を出しました。「ばかに、元気がないじゃないか」「ええ」とうなずいて、清さんの顔をみていると、このひとに、なにもかにも打明けたら、さっぱりするだろうという、気がふッと致しました。
と、清さんは、急に真顔になって、「坂本さん。ちょッと話があるんだ。来てくれませんか」と先に立ち、上甲板に登って行きます。ああ、そのことかと、胸にギクリ来ましたが、結局、言われたほうが、楽になると思い、ついて行くと、ボオト・デッキから更に階段をあがり、船の頂上、プウルのある甲板にでました。方二間位のプウルには、青々と水が湛えられ、船の動揺にしたがって、揺れています。周囲にベンチが二つ、置かれてあるだけの狭い甲板です。「まア、掛けましょう」といわれ、並んで腰を降ろしたまま、しばらく沈黙が続きました。もう港が近いとみえ、鴎が遥か下の海上を飛んでいるのが見えます。