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Japanische Klassiker mit Furigana

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パノラマとうきだん

パノラマ島綺譚

江戸川 乱歩

Lesen Sie パノラマ島綺譚 (パノラマとうきだん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 78.920 Zeichen · 153 Bildschirme

Aozora Bunko

ました。

さて、その日の午後、彼は千代子を彼の部屋に呼びよせて、さも何気ない風を装いながら、こんな風に切り出すのでした。

「身体の工合もいい様だから、私はこれから又島へ出掛け様と思うが、今度はすっかり工事が出来上って了うまで帰れまいと思う。で、その間、お前にもあちらへ行って貰って、島の上で暫く一緒に暮したいのだが、どうだ少し気晴しに出掛けて見ては。それに、私の不思議な仕事も、もう大体は完成しているのだから、一度お前に見せたくもあるのだ」

すると千代子は、やっぱり疑深い様子を改めないで、何のかのと口実を構えては、彼の勧めを拒もうとばかりするのです。彼はそれを、或はすかし、或はおどし、色々に骨折って、三十分ばかりの間も、口を酸くして口説いた上、とうとう、半ば威圧的に、彼女を肯せて了いました。それと云うのも、彼女は廣介を疑い恐れながら、もう一つの心では、それが仮令源三郎でなかろうと、やっぱり彼に、愛着を感じていたからに相違ありません。さて、行くとなっても、それから又、婆やを同伴するとかしないとか一問答あった末、結局、それも同伴しないで、彼と千代子と二人切りで、その日の午後の列車に乗ることに話を極めて了ったのです。