Japanische Klassiker mit Furigana
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フレップ・トリップ
フレップ・トリップ
北原 白秋
Lesen Sie フレップ・トリップ von 北原 白秋 (きたはらはくしゅう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.698 Zeichen · 293 Bildschirme
うち見るところ、恰かも両手両足を断ち斬られた素裸の美女の首付きの胴体である。しかも生きている、顫えている、わなないている、気死して醒めて、痙攣して、極度に蒼ざめて、また赤く熱して、膨らんで、張って、真っ白に死ちかかってである。もはや逃れられぬ運命が、瞬間が、しんしんと、淙々と、その目前に鳴っている、待っている、澄んでいる、閃めいている。と、ものの一尺ばかり遣り過して、
じゅう……である。
その膨れて張った、すべすべとつやつやとした美女の生肌の、丸太の首根っこに、灰銀色の旋転光の截断刃が、物の気持ちよく、それも音もなく、(恐らく澄心の極とはこうした無音だろう。)閑かに、無気味に、降りて、その円弧の端が触れると、
じゅう……ううである。
そのまま、じいいい……と、底無しに喰い入り、圧しつけ、放して、すうっと空へまた十二、三吋あがると、流るる胴体は二つになって、截目も見せずに滑ってゆく、その腹部をまた、
じゅう……である。すうっである。
幽深見難し、甚大無量の、また、円満無礙の、謂うところのおぎろなき物、この霊妙音は何から来る。おそろしい截断刃はただ廻っている。