Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
フレップ・トリップ
フレップ・トリップ
北原 白秋
Lesen Sie フレップ・トリップ von 北原 白秋 (きたはらはくしゅう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.698 Zeichen · 293 Bildschirme
工場の参観は改めてここに書かない。此所で「樺太のパルプ並製紙工業」という樺太庁版の小冊子や紙の見本や絵葉書を貰って、また私ら二人は一足先きへ外へ出た。すると後ろから白髪の支那服の和製タゴールさんが追い蹤いて来たので三人になった。
真岡は原名エンルモコマブ、樺太西海岸での第一の殷賑な小都会で、鰊漁で有名だというが、パルプ工場以外、夏にはさして興味を惹く街でもなさそうに見えた。
「つまらないじゃないか。停車場へ行って待っていよう。」
「や、何か目っかるよ。」
「目っかったのは、ほれ向うの靴屋ぐらいだよ。少し内地とちがうようだな。」
「しょうがねえでさあ。あんな雪沓なら何処にだってありまさあね。」とN老人。
「とにかく、お昼餐でもやるか。」
「や、しめた、蕎麦屋がある。物は試しだ。はいって見ようじゃないか。」
それは汚ない縄暖簾式の、どかりと腰かけておい一杯というやつだが、主人公なかなか風流人と見えて、一銭銅貨大の孔があいて日の光が射し込んだその壁の上に拙い字で貼り紙がしてある。
貸金はならぬ都の八重ざくらけふ現金の人ぞこひしき
だが、蕎麦は不思議にうまかった。蠅がいること、蠅がいること。