Japanische Klassiker mit Furigana
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フレップ・トリップ
フレップ・トリップ
北原 白秋
Lesen Sie フレップ・トリップ von 北原 白秋 (きたはらはくしゅう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.698 Zeichen · 293 Bildschirme
眺望し観察し散策し撮影もしたのであった。だが、もうこれきりであろう。
自動車は駛り出したが、相変らず揺れる、揺れる。
お、誰だか長い柄の草刈鎌で、一面に熟れかえった燕麦をスウイスイと刈り立ててる。
いい香いだ、いい香いだ。
*
観ると、いつのまにか、目当の鮮やかな丘陵の緑に、裾の鼠にぼやけた白い重い雲がかぶさっていた。
その梢の隠された疎林、疎林、疎林。
斜陽はすでに黄ばみかけたが、さして強くは輝かなかった。
ただひろびろとした燕麦や豆の畑に、何かしら冷気だった物の影が流れて、また明るともなく後明りしては陰って行った。
だが、道はいよいよ善くなってゆく。
なんといい豊原道だ。
向うから小さな人影が来た、生きて動いて、何か帽子に幽かな円光を発てて。陽を真正面に受けたのであった。
一分………二分………
車体はイキナリ左へ投げ出されかかって停った。凄まじいパンク。
すれ違いさま、あわやと見たので、思わず急角度で避けようとしたのである。転覆こそは免れたが、今度こそ道の真ん中でパンクしてしまった。
「危険危険、あっはっは。」
「やりきれねえ、やりきれねえ。