Japanische Klassiker mit Furigana
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フレップ・トリップ
フレップ・トリップ
北原 白秋
Lesen Sie フレップ・トリップ von 北原 白秋 (きたはらはくしゅう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.698 Zeichen · 293 Bildschirme
改めて駆り出された緬羊の四、五十頭の群であった。
新月形の両の角を振り振り、素の額のまろいの肉の垂れた、眼の柔和な、何か老いて呆け面の、耳の蔽い毛の房々して、部厚い灰色の、凸凹の背の、気の弱い緬羊は密集して、誰から、どの列から誘うとも誘われるともなしに、おのずからに草を食べ食べ移ってゆく。その鈍い動きが動くにつれて立つる音から、古びた綿埃の渦のような、また絨氈臭い、そして高まる神秘性の何かの綜合音が感じられた。
めうう……めうう……とあるものは首をあげた。ほとんど総ては下向き下向き、草を食べ食べ移って行った。
と、場長さんが、若い技手に白い陶器のミルク入れと、白い西洋皿と、透きとおった薄手のカップとを運ばせて来た。白い二つの皿には水っぽい新鮮なサラダの緑を、白い三つの皿にはやや薄黄のマイナスソースをかけた羊の蒸肉を盛ってあった。それにはまた薄あかい割り箸を添えてあった。
ミルクが一同のカップに注がれた。
「これは搾りたてですから召しあがって下さい。サラダもぎたてです。」場長さんはまた附け加えた。
「この羊の蒸肉は昨日のお残りです。」
それはと一同がお辞儀をした。