Japanische Klassiker mit Furigana
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フレップ・トリップ
フレップ・トリップ
北原 白秋
Lesen Sie フレップ・トリップ von 北原 白秋 (きたはらはくしゅう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.698 Zeichen · 293 Bildschirme
それから、幼稚でも済んだ昔なら仕方がない、諦めるさとまたいう。それもそうだ、一旦吐いてしまった自分の息は取り還せるわけはないからな。ではいっそ、何も彼も初版どおりにまた遣り直しだな。それも大変だな、印刷所が今度は怒るぜ、さんざん直させてまた逆戻しとは人を莫迦にするのも程があるというにきまっている。呆れはてたものだなと私が頭をたたいた。それでおしまいかと思うと、まだ、上陸するとからここのキト旅館で、あの無数の意地悪鴉を恐れ恐れ、それこそ極内密でまた、こつこつ、ほのぼのである。何の因果かと思うのだ。
*
「種馬の交尾でも見に行った方がよかった。」と私はまた灰色の空と海とを眺める。
それはこういうことなのだ。
いよいよ高麗丸が錨を下ろすと、船中が一斉にざわつき出した。私たちもすっかり身支度を済ました上で、ともかく甲板の腕椅子へ凭って、初めて見る小樽港の眺望を物珍らしく取沙汰していると、「やあ。」と麦稈帽をとった紳士があった。名刺を出すのを見ると、札幌鉄道局の電気課長のA君だ。庄亮とは学友なのだそうだ。そこで庄亮がまた「やあ。」と立ってゆくと、その人は一寸物かげへ引っ張って行って何か手真似していた。