Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうひんよっつ
中勘助随筆集
中 勘助
Lesen Sie 中勘助随筆集 (しょうひんよっつ) von 中 勘助 (なかかんすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.694 Zeichen · 32 Bildschirme
その囃し子のまんなかに太鼓を打った花形の子は上方風の柔和な顔に梅幸に似たうけ口をしていた。私はその夜の唄をしるしたたとう紙を忘れずにもって帰った。二つ折の紙の表に銀泥の水の地の天には桜の花を、地には紫の土を染めだして、だらりに結んだ舞子の後姿がついている。その髱と襟のあいだには白い頸筋、鬢のしたにはふっくらした頬がみえて、帯の模様は青柳に燕である。またスペードの2の裏にその夜の踊り子のなかのたてものの写真のついたトランプもある。それはさしかざす絵日傘のかげになまめく顔や顔のなかで子安貝の背に彫ってはめたようなすずしい眼ざしをした子で、伊丹幸の□□□という。
たとえばこの胸の冬の空にたまたま過ぎてゆくこれらの暖い雲の影は常に憂鬱な私をしておぼえず寂しくほほえませることがある。孟宗の枝に寐るあの鳩と、私と、どちらがより多くの夢をもつであろうか。
大正二年稿