Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうひんよっつ
中勘助随筆集
中 勘助
Lesen Sie 中勘助随筆集 (しょうひんよっつ) von 中 勘助 (なかかんすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.694 Zeichen · 32 Bildschirme
三十一日
九月一日
二日
朝、昼、晩と水蜜桃の汁をしぼって百グラム乃至百二十グラムくらい吸いのみでのむ。――葛湯の百五十グラムは味がなかった。――水蜜は本場のを貰ったのが冷蔵庫で種まで冷えている。こんよりと底澄みのしたきめの細かいその果汁はさながら崑崙の玉を溶かしたかのようにみえる。それはえならぬ薫りと舌をとろかす甘みをもちながらしかも卑しい人肌の温みのない西王母の乳である。仙女の恵みの露はしんしんとして指の先までもしみわたる。
夕刻副院長さんがきて注射をしてくださる。
夜。よく眠る。
三十一日
苦痛も熱も呼吸の数もすこしへったが脈搏が九十六にふえた。野菜スープは格別の印象も残らない。林檎の汁は錆色に濁るのが難である。しかしその栄養価にふさわしい?コクのある複雑な味がする。私が水蜜のほうばかり望むのを△△さんはなるべく林檎にしようとする。
九月一日
朝。たいへん気分がいい。痛みも少くなった。西瓜の汁は色も安っぽく、味も水っぽくて栄養になりそうもない。元来西瓜は好きなのだけれどこうして果汁にしてみると掛け値のないところが出る。
二日
体温、脈搏、呼吸とも普通になり、食慾が非常に進んできた。