Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうひんよっつ
中勘助随筆集
中 勘助
Lesen Sie 中勘助随筆集 (しょうひんよっつ) von 中 勘助 (なかかんすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.694 Zeichen · 32 Bildschirme
あしべ踊
落して雲の形、入道の形に沈んでゆくのに眺め入った。さてもこの綺麗な色紙はいつの日かまた妹の指に畳まれて鶴となり、ふくら雀となるであろうか。
あしべ踊
ここに葦の葉の模様のついた淡卵色の粗末な小皿がある。これはさる頃の葦辺踊りのときのものでいまだにうす赤く菓子のあとがついてるが、私は近頃ながらく病床にいたあいだこれをなつかしいものにして枕もとにおき、そのおりの旅のみやげの春日の鹿をならべてあかず眺めていた。皿のふちにずらりと鼻をならべた赤や茶や紺青やの鹿の輪は葦辺踊りの美しい子たちの姿である。まず私はほどよい行燈のあかりに照された座敷に人形のように坐ってた点茶の太夫と、この菓子皿を手にうけて金魚みたいに浮いてきたかわいい子を思いだす。それからさっと三方にあがる幕と、雨のように降りかかる三味線の音と、豊にまろらかな立唄の声と、両花道からしずしずと鰭をふりながらあらわれる踊り子の緋鯉の列と……とりわけ鮮に幻に残ってるのは、錦絵から飛んで出たような囃子の子たちの百羽の銀鳩が一斉に鳴くように自由に生きいきと声をそろえた ほう いや のかけ声、いい姿勢に撞木をとってきりりんきりりんと緩かにうち鳴らした鉦の音である。