Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しょうひんよっつ

中勘助随筆集

中 勘助

Lesen Sie 中勘助随筆集 (しょうひんよっつ) von 中 勘助 (なかかんすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.694 Zeichen · 32 Bildschirme

Aozora Bunko

六日

慾をいえば私には紀州から到来の蜜柑の花の蜂蜜がいちばん望ましい。

六日

毎日目にみえて軽くなるとはいえ寝返りするたびに声を出すほど痛かったのがいつか忘れるようによくなった。らくに寝返りができたらなあ これが最初の願いだった。ようやく大願成就したのだ。きょうの病床日誌の摘要欄には 始めて患部の痛みなしに深呼吸が一回できました とある。ちらりと見たお見舞の果物の籠に赤葡萄の房のあったことをおぼえてた私が 今度は赤いほうを と注文しておいたのを、栄養に気をとられた△△さんは娘が反物をよりどるような私の好みを忘れたとみえて青葡萄の果汁がずっとつづいた。で、きょうまた赤いほうを催促した。△△さんは ああそうでございましたね。どうも…… というようなことをいって赤葡萄をしぼってきてくれた。

葡萄の美酒夜光の杯

飲まんと欲して琵琶馬上に催す

酔いて沙場に臥す君笑うことなかれ

古来征戦幾人か回る

これは夜光の杯ならぬギヤマンの吸いのみ、魂をとろかす力もない搾りたての果汁にすぎないけれど、その奥ゆかしくさびた紅は千年をへだてる初唐の色である。なつかしい微妙な薫は駿馬いななく大宛のものである。