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Japanische Klassiker mit Furigana

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ちゅうごくかいきしょうせつしゅう

中国怪奇小説集

岡本 綺堂

Lesen Sie 中国怪奇小説集 (ちゅうごくかいきしょうせつしゅう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 179.458 Zeichen · 363 Bildschirme

Aozora Bunko

こうして、幾年を経るあいだに、自宅の座敷も台所も寝間も一面に画虎を懸けることになって、近所の人たちもおどろき怪しみ、あの老人は虎に魅まれたのだろうなどと言った。あまりの事に、その老兄も彼を責めた。

「お前はこんなものを好んでどうするのだ」

「いつもむしゃくしゃしてなりません。これを見ると、胸が少し落ちつくのです」

「それならば城内の薬屋に活きた虎が飼ってあるのを知っているのか」

「まだ知りません。どうぞ連れて行って一度見せてください」

兄に頼んで一緒に連れて行ってもらったが、一度見たが最後、ほとんど寝食を忘れて十日あまりも眺め暮らしていた。その以来、毎月二、三回は城内に入って、活きた虎を眺めているうちに、食い物も肉ばかりを好むようになった。肉も煮焼きをしたものは気に入らず、もっぱら生の肉を啖って、一食ごとに猪の頭や猪の股を梨や棗のように平らげるので、子や孫らはみな彼をおそれた。城内に入って活き虎を見て帰ると、彼はいよいよ気があらくなって、子や孫らの顔を見ると、杖をもって叩き立てた。

五代の蜀が国号を建てた翌年、彼は或る夜ひそかに村舎の門をぬけ出して、行くえ不明になった。