Japanische Klassiker mit Furigana
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まんじ
卍
谷崎 潤一郎
Lesen Sie 卍 (まんじ) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 133.618 Zeichen · 258 Bildschirme
その二十三
綿貫にそないいわれてからも「姉ちゃんに頼める義理やない」いいなさいましてんけど、「それ厭やったら僕と一緒に逃げてくれますか、それとも電話かけますか」いわれて、絶体絶命の場合になって、こんな男の道連れになるのん死ぬよりイヤや思いなさったら、後先の分別もないよになって夢中で電話口い走って行った。そいでもあの時、近所のカフェエい来てもらうとか、綿貫先帰してしまうとか、あんなとこ私に見せんかて何とかもうちょっとええ工夫あったやろのんに、うろたえてたらそんなこと思いつけしませんし、そこが綿貫の狙いどこですよって「早しなさい、早しなさい」いうて急きたてますし、そのうちに私に来られてしもて「合わす顔ない」いいなさったら「僕ええようにいいますさかい隠れてなさい」いうて、いかにも自分は光子さんの恋人やいう顔つきして、いろいろなこと私にカマかけて聞いてしもた。「ふん、そやねんし。ほんまいうたら、あの人あの時まで姉ちゃんとのことそないよう知ってエへんなんでん」いいなさいますねん。
その二十三
「へーえ、そしたらあの時カマかけられてたのん?『そら光子さんの奥様に対する気持いうたら、全く真剣でしてなあ』