Japanische Klassiker mit Furigana
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まんじ
卍
谷崎 潤一郎
Lesen Sie 卍 (まんじ) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 133.618 Zeichen · 258 Bildschirme
その十
……」
その十
「そんなこと今までに何べんくらいあった?」「何べんいいましても、とても勘定しきれしめエん。今日はお茶のお稽古や、今日は柿内さんとこやいやはりまして出かけはりまんのんで、そのつもりでお供して行きますと、あのなあ、あてちょっと用事あんねんいやはりまして、えらいそわそわしやはりまして、ひとりで何処ぞい行てしまやはりますねん。」「それほんまに違いないなあ?」「何で私がいいまッしゃろ。――奥様ちょっとも気イおつきやあれしめエなんだんでっか? 何ぞ今までにけったいやなあお思いになりやしたことあれしめエんでしたか?」「そらもううちは阿呆やよって、そない散々利用しられて、道具に使われて、踏みつけにしられながら、今の今まで此処から先も気イついたことあれへなんだ。それにしてもまあ何んちゅうことやろ。――」「ほんまに、わたいとこのとうちゃん恐ろしい人だすよってなあ。……私いつかて奥様の顔見るたんびにえらい済まんような気イして、お気の毒でお気の毒で、――」と、心から同情したようにいうてくれますのんで、そんなお梅どんみたいなもん相手にしたかってしょうむないのんですけど、あんまり口惜しいてお腹の中引っくりがえるようになってましたよって、何でも彼んでも思うたことをいう気イになって、「なあ、お梅どん、あんたかって察してくれる