Japanische Klassiker mit Furigana
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まんじ
卍
谷崎 潤一郎
Lesen Sie 卍 (まんじ) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 133.618 Zeichen · 258 Bildschirme
その十六
そないなって来ると自分にも責任あるよって帰るに帰られへん、そんでとうとう今まで傍についたげてたんやと、うまいこといい抜けしましたのんです。
その十六
「今日もちょっと見舞いに行ってくるわ、放っといても気がかりやし、乗りかけた船やよってしょうがない。……」いうて、そいから五、六日のあいだというもの毎日のように何処ぞで会うてましてんけど、「何処ぞ人に見つけられへんとこで、毎日二、三時間ぐらい会えるとこあったらええのになあ」思てますと、「そんなんやったら大阪の市中の方がええし、……静かなとこよりかいって町中のゴタゴタしたとこの方が人目に附けへんし」いいなさって、「……いつや姉ちゃんに着物持って来てもろた家なあ? 彼処やったら気分もよう分ってるし、安心やねんけど、……彼処にせえへんか?」いやはりますねん。あの笠屋町の宿屋いうたら、私に取ったら忘れられへん口惜しい口惜しい思い出あるとこですのんに、まるでこっちの感情も何も踏み付けにした話ですねんけど、そないにいわれても「ふん、そやなあ、なんや極まり悪いけど、行てもええなあ」いうて、腹立てることも出来んとおめおめ引っ着いて行ったぐらい、すっかり足元見られてしもてましたのんです。