Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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まんじ

卍

谷崎 潤一郎

Lesen Sie 卍 (まんじ) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 133.618 Zeichen · 258 Bildschirme

Aozora Bunko

歩き廻りました。光子さんは歳のわりにたいそうおませなとこもありますし、また子供のような無邪気なとこもあって、山の頂辺い上りましたら、蜜柑五つも六つも買うて、「ちょっと見てて御覧」と、それを上から転こばしたりしました。すると蜜柑は頂辺から下までころころと転こんで、その拍子にぽんと一つ往来飛び越えて、向い側の家の中い這入るのんで、面白がっていつまででもそないしてなさるのんです。「光子さん、そんな事してたら切りがないよって蕨でも採りに行きまひょ。わたしこの山に蕨や土筆のたんと生えてるとこよう知ってるわ」いうて、そいから日の暮れまでかかって、蕨やらぜんまいやら、土筆やら、たあんと採りました。――はあ、その場所ですか、あれはあのう、若草山の山が三つ重なってる、その一番前の山と、その次の山との間のへっこんだ所、――あそこら辺いったいに、ずっともう一杯に生えてまして、あの山のんは、毎年春に山焼きしますのんで特別おいしいのんです。――そんなことでもう空大分暗なった時分、二人ともまた前の山の方い戻って来まして、あんまりくたぶれましたよって、山の中途へんい腰おろして休みながら、暫くぼんやりしてます時でした。