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Japanische Klassiker mit Furigana

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なんごくたいへいき

南国太平記

直木 三十五

Lesen Sie 南国太平記 (なんごくたいへいき) von 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 493.291 Zeichen · 991 Bildschirme

Aozora Bunko

「池上、何うじゃ、同志の名を聞こうか」

新納は、煙管をはたきながら、静かに、声をかけた。池上の腹が、波打つように動き、頭髪が、目に立ってふるえてきた。

「池上」

うむーっ、と、苦痛そのものが、洩らしたような、凄い呻きが、池上の口から洩れて出た。手足を押えている四人の侍は、手だけでなく、身体と、脚とで、池上の一本の手、一本の脚を押えていた。

池上は、脣を噛んで、眉も、眼も、鼻も、くちゃくちゃに集めて、苦痛を耐えていた。指から、腕中、腕から、頭の真中へまで、痛みが、命を、骨を削るように、しんしんとして響いていた。顔色が、灰土のように、蒼ぐろく変って、呼吸が、短くなってきた。仰向いている腹が、人間とは思えぬように、高く、低く、波打って呼吸をしかけた。

「池上」

池上は、黙っていた。新納は、吐月峯を叩いて

「よかろう」

と、いった刹那、池上が

「うっ」

それは、呼吸のつまったような、咽喉からでなく、もっと奥の方から出た音のようなものであった。そして、池上の腹が、胸が五寸余りも浮き上った。人々が、池上の上へ、のしかかった。池上の爪へ、釘を押し当てていた侍が

「突き抜けました」