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Japanische Klassiker mit Furigana

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うもんとりものちょう

右門捕物帖(三)

佐々木 味津三

Lesen Sie 右門捕物帖(三) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 241.558 Zeichen · 480 Bildschirme

Aozora Bunko

行きますよ、行きますよ。今めえります」

聞いたような音色が突如として群衆の中から揚がったかと見るまに、ここをせんどと得意顔をうちふりながら、ひょこひょこと駆けだしてきたのは、だれでもない伝六でした。しかも、これがいっこうにおかまいもなく、豪儀と大立て者にでもなったようなつもりで、さっそくもう始めました。

「ざまあみろい。ちくしょう! まったく胸がすうとすらあね。どんぐり眼でしゃちこばっているやつらが今もあそこに何百匹並んでいるか知らねえが、用だ、あいきた、あっしでしょうねと、目から腹へ話のできる者ア、はばかりながらこの伝六様ひとりきりなんだからね。来ましたよ、来ましたよ。ね、ちょいと。御用の筋ゃなんですかい、お駕籠ですかい」

ひとりで心得ながら、得意になってはせつけたのを、むっつり流十八番、にこりともしないのです。黙ってぬうと伝六の手にあのなぞ深い直訴状を渡しておくと、

「忙しいんだ。ついてこい」

いうように、黙々としてそでの雪を払いおとしながら、群れ騒ぐ群衆の間を押し分けて、さっさと道を急ぎました。

2

しかも、早い。じつに早い。

さすがの伝六も毒気を抜かれて、追いつくことも鳴ることもできないほどにすばらしく早いのです。