Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(三)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(三) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 241.558 Zeichen · 480 Bildschirme
知らないために来ないのか、それとも知っていて来ないのか、知らないために来ないのならば問題でないが、知っていて来ないとすれば、これは考えるべき余地じゅうぶんでした。いずれの藩の者であろうと、おのれの家中の者が横死を遂げていると聞いたら、何をおいてもまず手続きを踏んで引き取りに来るべきが定法であるのに、知りつつわざと引き取りに来ないとすれば、そこに大きな秘密が介在するに相違なかったからです。――なぞを解くかぎも、またそこからというように、名人は烱々とまなこを光らしてうずくまると、おもむろにその身体検査を始めました。と同時に、鋭く目を射たものは、疑問の藩士の両手の指と手のひらに見える竹刀だこでした。
「ほほう、なかなかに武道熱心のかたとみゆるな。相当のつかい手がたわいなくやられたところを見ると――」
「え……? たわいなく眼がつきましたかい」
「黙ってろ」
しゃきり出てお株を始めようとした伝六をしかりしかり、名人はぶきみなのも顧みず死骸に手を触れて、丹念にその傷口を見しらべました。やはり、いかほど調べてみても突き傷ではない。刺し傷でもない。がぶりと深くえぐり取った奇怪きわまる傷口なのです。