Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(三)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(三) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 241.558 Zeichen · 480 Bildschirme
妖々としてさえ渡りました。なんとぶきみなことか、その太い杉の赤茶けた幹の腹には、手足そろったわら人形が、のろいのあのわら人形が、両足、両手、胸、首、頭と、七本の三寸くぎに打ちえぐられて、無言のなぞと、無限の秘密をたたえながら、ぐさりとくぎづけになっていたからです。しかも、そのくぎの新しさ! そのわら人形の新しさ! ――だれが見ても、ゆうべの丑満時にのろい打ったものとしか思えないのです。同時に、伝あにいがくちびるまでもまっさおにしながら、けたたましい音をあげました。
「ち、ち、ちくしょうめッ、やったな! やったな! あれですよ、あの野郎ですぜ。ふところから金づちと三寸くぎが出たじゃござんせんか。ね、ちょいと、あのわにぐちの下にのけぞっているあのいなか侍ですぜ。え! だんな。かなわねえな。生得あっしゃこういうものがはだに合わねえんだ。黙ってりゃ、もうけえりますぜ。ね、だんな、けえりますよ。え? ちょいと。返事しなきゃけえりますぜ」
声はない。返事もない。また、ないのがあたりまえです。事ここにいたれば、秘密のとびらはすでにもう開かれたも同然だからです。名人は静かに近よりながら、その形をくずさないようにそおっとわら人形を抜きとると、裏を返して見調べました。