Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(三)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(三) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 241.558 Zeichen · 480 Bildschirme
だのに、わざわざあんなまわりくどい丑の時参りなんかするのは、その相手が切れねえからのことにちげえねえんだ。切れねえ相手とは――、いいかい。のろい参りしたのは禄持ち藩士だよ、その禄持ちの藩士が切りたくても切れねえ相手とは、――おめえにゃ眼がつかねえかい」
「大つきだ、やつらがおまんまをいただいているお殿さまじゃねえんですかい」
「そうよ。眼の字だ。相手が身分のたけえ、手も出すことのできねえお殿さまだからこそ、陰から祈り殺すよりほかにはなき者にする手段はあるめえとひと幕書いた狂言よ。すなわち、その祈られているおかたが当年二十一歳、巳年の男というわけなんだ。としたら、武鑑を繰って二十一歳のお殿さまを見つけ出せば、どこの藩のなんというおかただか、ネタ割れすると思うがどうだね。いいや、そればかりじゃねえ、藩の名まえがわかりゃ、どうしてまたなんのために犬めがのろい参りの一党を毎晩毎晩食い殺してまわっているか、そのなぞも秘密もわかるはずだよ。いいや、そればかりでもねえ。まさしく、その犬はこの世にも珍しい忠犬だぜ。よくあるやつさ。忠義の犬物語お家騒動というやつよ。悪党がある。