Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(三)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(三) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 241.558 Zeichen · 480 Bildschirme
その悪党が一味徒党を組んでお家横領を企てて、おん年二十一歳の若殿さまをのろい殺しに祈ってまわる、そいつをかぎつけた忠犬が、かみころして歩いているという寸法さ。したがって、犬のうしろには糸をあやつる黒幕がなくちゃならねえはずだよ。お家だいじ、お国だいじ、忠義の一派というやつよ。だからこそ――、むすびを三つばかり大急ぎにこしらえてくんな」
「え? 犬をつり出すためのえさですかい」
「おいらが召し上がるんだよ、いただきいただき武鑑を繰って、ここと眼がついたら風に乗ってお出ましあそばすんだ。早く握りなよ」
「ちくしょうめ、どうするか覚えてろッ。へへえね、――ちょっとこいつあ大きすぎたかな、かまわねえや、つい気合いがへえりすぎたんだからね、悪く思いますなよ」
さし出したのをいただきながら、禄高、官職、知行所なぞ克明に記録された武鑑を丹念に繰り調べると、ある、ある。まさしく巳年に当たる二十一歳の藩主がひとりあるのです。
「ほほうね。三万石のご主君だよ」
「ちぇッ、三万石とはなんですかい。やけにまたちゃちなお殿さまだね」
「バカをいっちゃいかんよ。お禄高は三万石だが、藤堂近江守様ご分家の岩槻藤堂様だ。