Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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うもんとりものちょう

右門捕物帖(三)

佐々木 味津三

Lesen Sie 右門捕物帖(三) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 241.558 Zeichen · 480 Bildschirme

Aozora Bunko

「いやでござんす! そんなこと、そんないやらしいこと、何度いわれてもいやでござんす!」

しかも、ドタンバタンと必死に抵抗でもしているらしいけはいがあったので、一躍、ガラリ――、さっそうとしておどり入ると、高窓一つしかない暗いへやの中を鋭くぎろりと見まわしました。同時に目を射たのは、怪しげな三人の姿です。ひとりはいぎたなく立てひざをした四十がらみの大年増。むろんそれが女ばくちのしれ者と名の高い三つ輪のお絹に相違なく、その隣にてらてらと油光りのする卑しい顔に、みだらな笑いを浮かべて、つくねいものごとくすわっていたのは、ひと目にいなかの物持ちだんなとわかる好色そうな五十おやじでした。そのおやじの淫情に燃え走る油目に見すくめられながら、へやの片すみに、三十そこそこの、ひとふぜいもふたふぜいもある、美人ぶりなかなかによろしい中年増がふるえおののいていたのを見つけると、我を忘れて、きょうだいが武者ぶりつきながら、おろおろと叫びました。

「かあだ! おっかあだ! 悲しかったよ。おらは、おらは、悲しかったよ。もういやだ。もうどっかへ行っちゃいやだよ。な! かあや! いやだよ! いやだよ!」