Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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うもんとりものちょう

右門捕物帖(三)

佐々木 味津三

Lesen Sie 右門捕物帖(三) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 241.558 Zeichen · 480 Bildschirme

Aozora Bunko

「朝の五ツ下がりころでござります。北条坂に小娘が殺されておるとの注進でござりましたゆえ、すぐにここへ出張って、お番所へ人を飛ばせたのでござります。なにしろ、このとおり寂しいところではござりまするし、それにこの雨でござりまするし――」

「うるさいッ。きかぬことまでかれこれ申すなッ」

あば敬のけんまく権柄、当たるべからざる勢いです。どなり、しかり、当たり散らしながら死骸を見調べると、小娘は年のころ十三、四、手甲、脚絆、仕着せはんてんにお定まりの身ごしらえをして、手口は一目瞭然、絞殺にまちがいなく、かぶっている菅笠のひもがいまだになおきりきりと堅く首を巻いたままでした。かぶり直そうとしたところをねらって、ひと絞めにやったものか、それとも押えつけておいて、笠のひもをとっさの絞め道具にしたものか、むごたらしくも鼻孔から血の流れ出ているところを見ると、恐ろしい腕力に訴えて強引に絞めつけたことは明らかでした。いや、そればかりではない。その小娘の右手にはいぶかしいひと品がある。着物のそでです。しかも、女物の、同じような仕着せはんてんの片そでなのです。絞められるとき必死に抵抗してそでをつかんだのが、そのまま引きちぎれたとみえて、今なお引いても取れないほどにしっかりと握りしめているのでした。