Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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うもんとりものちょう

右門捕物帖(三)

佐々木 味津三

Lesen Sie 右門捕物帖(三) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 241.558 Zeichen · 480 Bildschirme

Aozora Bunko

よう、どなたかに力となってもらいましょうと存じましたなれど、あいにくなときというものはしかたがおじゃりませぬ。親兄弟親類までが娘の身内は、みんな去年の秋から、殿とごいっしょに帰藩中でおじゃりますゆえ、ふと思い出したのが、そなたさまのおうわさでおじゃりました。密事は密事、情けは情けと、秘密を割ってお願いすれば、どれだけでもご内密にお計らいくださるとのご評判でおじゃりますゆえ、なまなか家中の者に力を借りてよからぬうわさを言いたてられるよりも、いっそ、あなたさまにとこうしてお力におすがり申すしだいでおじゃります。それもこれも、事の起こりはみんなあれなる男雛のにせものがもとでおじゃりますゆえ、ようく手にとって、お調べくださりませ」

いいつつ目をしばたたきながら、孫思うご後室は、身も世もないというように、老いのしずくを払い落としました。無理はない。小町娘の愛孫が一生一度の契りごとにかかわる大事とすれば、おぼれる者のわらのように、必死とわが捕物名人にすがりついたのは無理のないことです。いや、無理がないといえば古島親子のおこったのも大いに無理がない。契りの片雛恋の思い雛が、いつのまにかにせもの偽物にすり替えられていたとすれば、いかさま生きた夫が知らぬまに寝返られ、すり替えられたのと同然だったからです。