Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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うもんとりものちょう

右門捕物帖(三)

佐々木 味津三

Lesen Sie 右門捕物帖(三) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 241.558 Zeichen · 480 Bildschirme

Aozora Bunko

「ちとこれは久方ぶりでなまめかしゅうなったかな――」

いうように、名人は目に微笑を浮かべながら、じろじろと問題の男雛を見ながめていましたが、まず事はそれから確かめるが第一と、至極静かにきき尋ねました。

「では、なんでござりまするな。こちらの雛をお飾りなさるときは、十二年このかた預かっている男雛に相違ないとお思いなすって、お飾りあそばしたのでござりまするな」

「ええ、もう相違ないどころか、形も同じ、着付けも同じ、しまったところも去年のままで、なにひとつ変わった個所も、疑わしいところもおじゃりませんなんだゆえ、娘もわたくしもこれがにせものであろうなぞとは夢にも知らずこうして飾りましたところ、古島のててごさまが不意にびっくりなさいまして、これは偽物じゃとおっしゃりましたゆえ、てまえどももぎょうてんしてお尋ねいたしましたら、何から何までほんものそっくりにまねて作ってはあるが、着付けの金襴の生地がまがいものじゃ、うちから預けた雛は二百年このかた伝わっている品で、一寸十両もする古金襴地のはずなのに、これは今できの安い京金襴じゃとおっしゃいましたゆえ、わたくしどもも生地を調べてみて、ようやくそれと知った始末でおじゃります」