Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(三)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(三) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 241.558 Zeichen · 480 Bildschirme
おい! 番頭の大将! あのいちばん上にあるやつが古島雛のまがい雛とかいうやつかい」
「へえい、さようで――」
「いくらするんだ」
「ちとお高うございますが……」
「べらぼうめ! 安けりゃ買おう、高けりゃよそうというような贅六じゃねえんだ。たけえと聞いたからこそ買いに来たんじゃねえか。夫婦一対で、いくらするんだい」
「五両でございます」
「…………」
「あの、五両でございます」
「…………」
「聞こえませんか! 女雛男雛一対が大枚五両でございますよ!」
「でけえ声を出さねえでも聞こえていらあ! ちっと高すぎてくやしいが、五両と聞いて逃げを張ったとあっちゃ、江戸っ子の名に申しわけがねえんだ。景気よく買ってやるから、景気よくくんな」
入れ違いにはいってきたのが若い娘。
「あたしにも一対ちょうだいな」
いいつつ、これがまた争うように買って帰ったものでしたから、名人のことばがいよいよさえました。
「なるほど、羽がはえて飛んでいくな。これをこしらえたやつは何者じゃ!」
「それがちと変なんですよ。にせものではございましても、これほどみごとな品を作るからにはさだめし名のある人形師だと思いますのに、だれがこしらえたものか、さっぱりわからないのでございます」