Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(三)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(三) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 241.558 Zeichen · 480 Bildschirme
世間さまには目の高いおかたがいらっしゃるとみえて、古島雛じゃ、古島雛のまがい雛じゃと、あのとおり羽がはえて、てまえのまがい作りが売れましたのでございます」
「なるほどな。うそとも思えぬ話のようじゃが、では、それなる頼み手が、真物の古島雛を携えてまいって、そのほうに見せたうえ、雛型をとらしたと申すか」
「いいえ、それがちっと変なんでございますよ。頼んだおかたは手ぶらのままお越しになって、いきなり古島雛をこしらえろとおっしゃいましたゆえ、いくらまがいものでも、手本の真物がなくてはと、はじめは二の足を踏みましたんですが、名の高いもの、天下に知られたご名品は、何によらず暇のあるかぎり見ておくものでござります。じつは、二年ほどまえ、ふとした手づるから真物を古島様のお屋敷で拝見したことがございましてな、やはり神品となると、後光がさすとでも申しますか、そのおり拝ましていただいた一対の雛、形、まゆの引き方、鼻のかっこうのみごとさは申すに及ばず、着付けの色のほどのよさまでが目に焼きつき、あとあとも夢に見るほど心の底から離れませなんだゆえ、ご注文の男雛はもとより、あとからこしらえて売りに出した女雛そろっての一対も、そのときのわたしの心覚えをたどって、着付けの金襴もようやく似た品を捜し出し、ああして売り出したのでござります」