Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(三)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(三) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 241.558 Zeichen · 480 Bildschirme
いえ、申しまする、申しましょう。それもこれも、もとはといえば、こちらに控えておりまするわたくしの兄めが、おりおりわたくしをたずねてお屋敷へ参り、お嬢さまと一度会い、二度会ううちに、ついした縁の端から、ひと目を忍んでの割りない仲になりましたのでござります。なれども、お嬢さまは、古島の若さまと堅いお約束のあるおん身、――兄なぞとそのようなことにおなりあそばしてはと、わたくしひとり胸を痛めましたけれど、恋とやら情けとやら申すものは、どうせきとめようにも、せきとめるすべのないものとみえまして、三度は四度と重なり、四度は五度と重なるごとに、古島様とのお約束を破ってもと、おいじらしくも思いつめたお心におなりあそばしたのでござりましょう。今こうして三人泣き合いながら、わたくしもありのままを申しあげ、お嬢さまからも事の子細みんな承りましたのでござりまするが、ことしの節句が無事に済めば、遠からずもうお輿入れせねばなりませぬゆえ、いっそ思いきってと、あの預かり雛をお隠しあそばされたのだそうでござります。さすれば、古島様がたいせつな契り雛を粗略にしたとご立腹あそばし、したがって十二年このかたのお約束も、ご立腹のあまりご破談になることであろうし、なればひとりでに兄めにも添いとげられるとお思いあそばして、こっそりどこかへお隠しなさい