Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
あいこくしんわたしはこうおもう
和人は舟を食う
知里 真志保
Lesen Sie 和人は舟を食う (あいこくしんわたしはこうおもう) von 知里 真志保 (ちりましほ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 70.567 Zeichen · 144 Bildschirme
ところがいったん無形文化財に指定されるや、全国の心なき観光客がワンサと押しかけてきて、いよいよおばの記憶をこんらんしたようである。僕なぞはもうそのころから登別へ出かけてもおばにあいさつに顔を出すだけで、学問的な採集は全く断念してしまった。すなわち、そのころではおばのユーカラ伝承者としての価値も使命も全く終わっていたのである。おばの側近の者はただなんの用もありげもない旅行者のわがままな要求と対応に右往左往するのみで、無造作に文化財なぞに指定され、それらの人々のいわば玩具になってやや得意のようにも見えるおばの態度にハラハラしたものである。
ただ頭の弱くなっていたおば自身はおそらく幸福であったかもしれない。不幸は不幸と自覚しえる人間にのみ不幸なのだから。おばは話ずきだし客ずきだし。功成り名とげて天寿をまっとうして大往生をとげたのだから。いまはそれを虚心たんかいによろこんであげたい。
〈『北海道新聞』昭和36年4月9日朝刊〉