Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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よっつのみやこ

四つの都

織田 作之助

Lesen Sie 四つの都 (よっつのみやこ) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 31.005 Zeichen · 62 Bildschirme

Aozora Bunko

庄平、煙草の箱の横へマッチの軸をすりつけて、火をつけようと、頻りに無駄な努力をする。

庄造、苦笑してマッチの箱を渡してやる。

庄造「貰えというのは、わたしの友人で神戸の造船所の技師長をしている男の娘さんだが、まあ、当代稀にみるいゝ娘さんだよ」

この時、

「写真がありましたよ、持って来ましょうか」

という声がする。

母親のお寿である。お茶をもってはいって来たのである。

庄造「写真では判らん、実物主義だ、実物を見なくちゃ分らん、いゝ処は」

庄平、なんとなく壁の仏像の写真と、机の上のその実物を見較べている。

お寿「でも、庄平が写真を見たいでしょうから」(去る)

庄平(慌てゝ)「いゝえ、僕にはそういう趣味はありません、どうぞお構いなく」

庄造「実物主義となると、つまり見合いだな、どうもこの見合いなどという言葉は、大の男がみだりに口にすべき言葉じゃないが、他に適当な言葉はないから見合いという事にして、さてこいつを早いとこ実行したいんだが……庄平、お前いつがよい、早い方がよいんだ」

庄平「僕は一生に一度しか見合いはしないと決心しているんです、僕の友人で六十回も見合いをして細君を物色した奴がいますが、こいつはそんな風にして物色した細君の実家から出して貰った金で洋行して、今じゃ院長で納っているんです、内地に居る時は何とも思わなかったんですが、