Japanische Klassiker mit Furigana
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よっつのみやこ
四つの都
織田 作之助
Lesen Sie 四つの都 (よっつのみやこ) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 31.005 Zeichen · 62 Bildschirme
二 道。
やがて、露地の角を初枝と清子が新吉と反対の方へ折れて行く。
その二人の後を追うて、あわてゝ折れて行く男がある。
蜂谷十吉だ。新聞記者だが、新聞記者らしくない。たとえば鳥打帽など被っていず、無帽である。その代り蝙蝠傘を持っている。この男、年齢がない。本当は若いのだろうが。どこか瓢々とした感じ!
二 道。
片側が崩れた塀になっている夕陽丘の寂しい道を、初枝と清子が話しながら歩いている。
清子「私、もしかしたら、学校よすかも知れないの」
初枝「どうして? 結婚なさるの、それとも……?」
初枝がそう言った時、突然十吉が後から声を掛ける。
十吉「それとも、どっかへ行ってしまうんですか」
十吉の清子への傾倒ぶりを薄々知っている初枝は微笑するが、清子は眼をけわしくする。
清子「まあ、蜂谷さん……驚いたわ、いきなり物を言ったりして。尾行して来たのね。探偵や新聞記者みたいな真似するの、およしなさい」
十吉(厳粛に、しかし稍や悲しそうに)「処が、僕は新聞記者なんだ」
初枝、おかしさをこらえるのに、苦労する。
清子(平然と)「新聞記者にもピンからキリまであるわ」
十吉「勿論、僕はそのピンの方だ」