Japanische Klassiker mit Furigana
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よあけまえ
夜明け前
島崎 藤村
Lesen Sie 夜明け前 (よあけまえ) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 205.629 Zeichen · 408 Bildschirme
その科によって腰繩手錠で宿役人の中へ預けられることになった。もっとも、老年で七十歳以上のものは手錠を免ぜられ、すでに死亡したものは「お叱り」というだけにとどめて特別な憐憫を加えられた。
この光景をのぞき見ようとして、庭のすみの梨の木のかげに隠れていたものもある。その中に吉左衛門が忰の半蔵もいる。当時十八歳の半蔵は、目を据えて、役人のすることや、腰繩につながれた村の人たちのさまを見ている。それに吉左衛門は気がついて、
「さあ、行った、行った――ここはお前たちなぞの立ってるところじゃない。」
としかった。
六十一人もの村民が宿役人へ預けられることになったのも、その時だ。その中の十人は金兵衛が預かった。馬籠の宿役人や組頭としてこれが見ていられるものでもない。福島の役人たちが湯舟沢村の方へ引き揚げて行った後で、「お叱り」のものの赦免せられるようにと、不幸な村民のために一同お日待をつとめた。その時のお札は一枚ずつ村じゅうへ配当した。
この出来事があってから二十日ばかり過ぎに、「お叱り」のものの残らず手錠を免ぜられる日がようやく来た。福島からは三人の役人が出張してそれを伝えた。