Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

よあけまえ

夜明け前

島崎 藤村

Lesen Sie 夜明け前 (よあけまえ) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 205.629 Zeichen · 408 Bildschirme

Aozora Bunko

彼が客に見せたいと思う古文書なぞは、取り出したら際限のないほど長櫃の底に埋まっている。あれもこれもと思う心で、彼は奥座敷から古い庭の見える方へ行った。松林の多い裏山つづきに樹木をあしらった昔の人の意匠がそこにある。硬質な岩の間に躑躅、楓なぞを配置した苔蒸した築山がそこにある。どっしりとした古風な石燈籠が一つ置いてあって、その辺には円く厚ぼったい「つわぶき」なぞも集めてある。遠い祖先の昔はまだそんなところに残って、子孫の目の前に息づいているかのようでもある。

「まあ、客が来たら、この庭でも見て行ってもらおう。これは自分が子供の時分からながめて来た庭だ。あの時分からほとんど変わらない庭だ。」

こんなことを思いながら待ち受けているところへ、半蔵と寿平次の二人が佐吉を供に連れて着いた。その時、七郎左衛門は家のものを呼んで袴を持って来させ、その上に短い羽織を着て、古い鎗なぞの正面の壁の上に掛かっている玄関まで出て迎えた。

「これは。これは。」

七郎左衛門は驚きに近いほどのよろこびのこもった調子で言った。

「これ、お供の衆。まあ草鞋でも脱いで、上がってください。」