Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠6

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠6 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 185.112 Zeichen · 362 Bildschirme

Aozora Bunko

「エエ、エエ、あの中で泣いているのは、あれは女の声でございますぜ、大勢の者に囲まれて、女が泣いているのでございますよ」

なるほど、弁信の鋭敏な耳を待つまでもなく、人の騒ぎ罵る中で、絶え入るばかり悲鳴を揚げているのは、まさしく女の声であります。

「皆さん、それほどまでに恥をかかせないで、いっそ一思いに殺してしまって下さい、私共が悪うございました、殺されても決して皆様をお恨み申しは致しませんから、どうぞ、一思いに二人を殺してしまって下さい、それほどに恥をかかせないで、殺してしまって下さい」

ひいひいと泣いているのは女の声であったけれど、こう言って歎願しているのは男の声です。

「見せしめのためだからこうしてやるのだ、俺たちを恨んじゃならねえぞ」

これは、いきり立った大勢の中から起る声です。

弁信ならずとも、感づくことでありましょう。路傍の原っぱで、大勢の者が、男女二人を捉えて何かの制裁を加えているところです。女が、ただ泣いている、男が只管にあやまっている、大勢が見せしめのためだということを聞けば、それも直ちに合点のゆかねばならぬことで、ここに二人の男女が道ならぬ行いをして、大勢のために極端な私刑を加えられようとしているところに紛れもありません。