Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠6
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠6 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 185.112 Zeichen · 362 Bildschirme
五
「これこれ、お起きなさい」
兵馬は、その背中を叩いて、身体をゆすぶると、ようやくにして起き上ったその人は、一見して兵馬もそれと知る長者町の道庵先生でしたから、あいた口が塞がりません。
五
その翌朝、練塀小路の西の湯というのへ、見慣れない一人の客が、一番に入って来ました。
この客は差していた両刀を絡げて、無造作に二階番頭に渡して、着物の帯を解きはじめます。見慣れない人ではあるけれども、この辺は旗本だの、御家人だのというものの屋敷が多いから、こんなお客が早天に飛び込んで来たからとて、大して物珍らしいというわけではないが、両刀こそ差しているけれど、また身なりとてさほどに落ちたものとも見えないが、ただ異様なのは、この客が盲目の人であることです。盲目であるにかかわらず、いつのまにやって来たか、番台では何とも挨拶のないうちに、早くも二階へ姿を現わして、二階番頭を驚かせたことであります。
それから、人手も借りずに衣類を脱ぎ捨てて、梯子を降りて浴槽へ行く挙動が、ちょっと盲人とは受取れないようです。入って来た瞬間は、いかにも病み上りのような弱そうな人に見えたが、裸体になった筋骨は、さほど衰えたものではありません。