Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠6

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠6 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 185.112 Zeichen · 362 Bildschirme

Aozora Bunko

曾て、十津川の奥から竜神村へ逃げ込んだ時に、頻りに犬が吠えました。竜神八処の犬が、悉く天に向って吠えるのを聞いた時には、さすがにものすごいと思いました。いま吠えている犬は、まさしくその時の犬であります。机竜之助は、再び紀伊の国の竜神村の人となったのであろう。

空をながめることができたなら、その天には清姫の帯が流れていたかも知れない。天に清姫の帯が流れる時、地にそれをながめた人に祟りがある、ということを後にお豊の口から聞きました。

恍惚として立っている竜之助の周囲は、どうしても紀伊の国、竜神村の山の奥であります。

金蔵は斬って落したけれども、その相手のお豊はどこにいる。

「もし、あなた、罪のない人を殺してはいけません、わたしを殺して下さいまし、わたしが悪いのですから、わたしだけを殺して、ほかの人を助けて下さいまし、わたしはお前さんに殺されれば本望でございます」

そこへ縋りついたのはお豊ではありません、名も知らぬ女です。声にも聞覚えのない女であります。

女もまた、縋りついて、その人が動かない人でありましたから驚きました。

「あ、違いました」

離れようとしたが離れられません。