Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠6

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠6 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 185.112 Zeichen · 362 Bildschirme

Aozora Bunko

たしかに面白いには面白いが、あぶないこともまたあぶない。だからうっかり、いよいよ近寄ることはできません。怒気紛々として掴みかかろうとしている下郎たちも、どうにもこうにも米友に近寄る隙さえ見出すことができません。ひとりで無茶苦茶に使っている槍が傍へ寄れば、きっと物を言うにちがいない。物を言えば必ず田楽刺しに刺されてしまいそうである。思いがけない気狂いだと思いました。誰もまだ、ほんとうに米友が槍を心得ているのだと気のついたものはありません。自棄に振り廻している槍の間から、本格と変則とが米友流に随処にころがり出すその妙処を、見て取ってくれる人のないのが気の毒です。気の毒であるのみならず、この時に、どこからともなく泥草鞋が片一方、米友の面上を望んで降って来ました。その泥草鞋は身を沈めて避けたけれども、それを合図に石や、木や、竹切れが、雨霰と降って来ました。

それと見るや米友は横っ飛びに飛んで、三仏堂の縁の上へ飛び上ったかと思うと、扉を押して堂の中へ身を隠し、素早く中から扉を閉して閂を締めました。

そこで、かの槍持奴をはじめ、仲間どもは扉の前まで押寄せたけれども、さて、それを踏み破って、一歩を堂の中へ踏み入れようということには、躊躇しなければなりません。