Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠6

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠6 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 185.112 Zeichen · 362 Bildschirme

Aozora Bunko

ただしかし、一杯機嫌で、この真夜中にフラフラと歩き出して前後の危険をも忘れてしまい、ただ無性にいい心持になっているほどに、先生の飲みッぷりは初心なものではないはずだから、何か特別に嬉しいことがあっての上でなければなりません。

先生が唯一の好敵手であった鰡八大尽は、あの勢いで洋行してしまったし、それがために、隣の鰡八御殿は急にひっそりして、道庵の貧乏屋敷に一陽来復の春が来たのはおめでたいが、単にそれだけの嬉しまぎれに、ほうつき歩くものとも思われません。

さりとて、また今時分になって柳橋あたりへ、飲み直しに行こうとするものとも思われない。第六天の神主の鏑木甲斐という人が、かなり飲ける方で、道庵とも話が合うのだから、これから興に乗じて、その人を嗾そうという企らみのように解釈するのも、余りに穿ち過ぎているようです。

これは先生のために、極めて真面目に解釈して、先生が深夜、急病人からの迎えを受けて、切棒の駕籠にも乗らず、お供の国公をも召連れず、薬箱も取り敢えずに駈けつけて、下地のあるところへ病家先の好意で注足しをし、その勢いに乗じて、長者町へ帰るべきものを、どう間違ったか柳橋方面へうろつき出したと見るのが親切で、そうして至当な観方でありましょう。