Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
だいぼさつとうげ
大菩薩峠6
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠6 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 185.112 Zeichen · 362 Bildschirme
というところに至った時に、車井戸がキリキリと鳴り出したから、お銀様はゾッと身ぶるいをして筆を下へ置きます。
「お喋り坊主」
神尾の世にも口惜しそうな声が、そのいやな深夜の車井戸の響きと共に、お銀様の耳朶に触れると共に、お銀様の眼前に現われたのは、そのお喋り坊主の弁信の姿ではなく、甲州でむごたらしい虐殺に遇って、訴うるところなき恨みを呑んで横死を遂げた愛人の幸内が姿であります。
「お嬢様、あなたは幸内がかわいそうだと思召しになりませんか、もし幸内がかわいそうだと思召すなら、なぜ、あなたは神尾主膳を殺して下さらない、神尾を討って幸内の仇を酬いて下さらないのがお恨みでございます、倶に天を戴かずと申しますのに、私をなぶり殺しにした神尾主膳と、そうして同じ屋敷に住んでいていいのですか、それでこの世に残した幸内の恨みが消えると思召しますか、今も神尾主膳は、ああして私を苦しめています、あの車井戸の音がキリキリと軋るたびに、私の骨と肉がそれだけ擦り減らされて参りますのです、死んだ後までも、私がかわいそうだと思召すなら、どうか、あの車井戸の音だけでも差止めて下さい、ああ、苦しい、私は神尾主膳のために、鉄の熊手で骨と肉とを掻きむしられながら、地獄の底へ落ちて行くのでございます」